ずんの遊び方

準備
ジョーカー2枚(1枚でも可ですが、できれば2枚)を加えたトランプ54枚を用意する。
ゲーム人数は4人がちょうどいい。最低2人。

ゲーム手順
まず山から各自4枚ずつ自分のカードをとる。全員にカードを配り終われば、山の一番上のカードを1枚めくって場に出す。この時特殊カード(A、2、5、8、9、Joker。特殊カード説明を参照)が場に出た場合は、再度山からカードを場に出す。このとき場に出た特殊カードの枚数×2が、そのゲームの場の倍率となる(倍率説明を参照)。
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最初にゲームを始める人を決めて(じゃんけんでもなんでもよい)時計まわりにゲームを進めていく。2回目以降は、前のゲームの敗者から始める。
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番がまわってきた人は、「山からカードを引いて番を次の人にまわす」か、「場に出ているカードと同じ数字、もしくは同じマークのカードを場に出して次の人に番をまわす」ことができる。カードを引く場合には、引きずんの役の可能性がうまれる(役説明を参照)。カードを場に出す際には、同じ数字のカードをまとめて何枚でも出すことができる。ただしその場合、一番下に出すカードは場に出すことができる条件に合致していなければならない。例えば、場にハートの6が出ているところに、ハート、スペード、クラブの9を3枚まとめて出すことができるが、この場合は一番下のカードはハートの9でなくてはならない。
特殊カードを複数枚場に出した場合、5、8、Joker以外のカードはその効果が枚数分適用される(特殊カード説明を参照)。また、カードを場に出す際に、手持ちのカードをゼロにすることはできない
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もし、手持ちのカードの数字の合計が、場のカードの数字と同じであれば、自分の番でなくても、「ずん」と宣言して上がることができる。ただし、場に出ているカードが自分の出したカードである場合には「ずん」できない。また、Joker1枚だけを持っている場合に、場に出たJokerに対して「ずん」することもできない。手持ちのカードの数字を合計する際には、同じ数字のカードが複数枚あれば、それら全部で1枚分として、計算しなければならない。例えば、手持ちのカードが、2、3、3、3、5である場合は、3枚ある3のカードは全部で3と計算し、手持ちの合計は2+3+5=10となり、場に10のカードが出された時に「ずん」と宣言して上がることができる。Jokerは0として計算する。
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「ずん」を宣言して上がった人がそのゲームの勝者であり、「ずん」をされたカードを場に出した人が、ゲームの敗者となる。それ以外の人の得点は変化しない。
勝者は敗者の手持ちのカードの合計数を自分の得点として手に入れる。敗者はその分得点を引かれる。ただし、得点計算の際には、10以上の数のカードは、全て10として計算する。また、Jokerが手持ちにあった場合には、最終的な得点数をJoker1枚につき2倍する。これは勝者の方にJokerがあった場合にも同様に計算する。例えば、敗者の手持ちのカードが、A、5、6、Q、K、Jokerで、勝者もJokerを1枚持っていた場合は、1+5+6+10+10=32に勝者と敗者それぞれのJokerで、32×4=128が得点となり、勝者の得点に+128、敗者の得点に-128する。
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誰かが「ずん」をして上がるまでゲームは続けられるが、山のカードがなくなった場合には、場の一番上にあるカードを残して、下のカード全てをシャッフルして山とする。この行為を一回行う度に、場の倍率を2倍する(倍率説明を参照)。

特殊カード
ずんでは、A、2、5、8、9、Jokerを特殊カードとして扱う。
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Aはスキップカードで、これが場に出されると、出した人の次の次の人に番がまわる。複数枚出された場合は、その枚数回スキップすることになる。
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2はドローツーカードで、これが出されると、次の番の人は、2、8、Jokerを出して番を次にまわすか、山から2枚引くか、どちらかを選択しなければならない。2を出した場合は、その次の人は、4枚引くか、2、8、Jokerのどちらかを選択する。山から引く枚数は、2が出続けるごとに+2されていき、最大時(2が4枚場に出された状態)で8枚引かなければならなくなる。2を複数枚場に出した場合、その枚数分次の人に効果が適用されることになる。場に出された2に対して、8を出すと、そこにある2の効果全てを打ち消すことができる。Jokerを出すと2の効果を打ち消さず、次の人に効果を渡すことができる。
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5はゴシタカードで、これが出されると、その次に場に出るカードは5か、5より小さい数字でマークが場と同じものしか出せない(8、Jokerならこれを無視して出すことができる)。5より小さいカードか8が場に出されると、この効果はなくなる。5は複数枚出してもその効果は同じである。
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8はオールマイティカードで、これは場にどんなカードが出ていても出すことができる。また、次に場に出せるカードのマークを指定することができる。指定は1マークでも2マークでもよい。もちろん指定無しでもよい。8は下にある特殊カード(A、9は除く)の効果を打ち消すことができる。
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9はリバースカードで、これが場に出されると、ゲームの進行方向がそれまでと逆になる(ゲーム開始時は時計まわり)。
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Jokerはパスカードで、これはその下にある場のカードの効果を次の人に渡すことができる。ただし、カードのマークは継続されるが、数字は継続されない。次の人は下にあるカードと同じマークのカードを場に出すことはできるが、同じ数字のカードを場に出すことはできない。例外として、2や5の後にJokerを出した場合は、次の人は同じ数字のカードを出すことが許される。また、8はどんな時にでも出すことができるので、同様にこの例にはあてはまらない。

倍率
ずんでは、最終的な得点を倍増させる倍率というものがあり、これは場の倍率と役の倍率の2つが存在する。
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場の倍率とは、ゲーム開始時に山からカードを場に出した際に、特殊カードが出た枚数×2の値を呼ぶ。場の倍率は山のカードがなくなる度にさらに倍に増える。ゲームの勝者の得点計算の際には、最後に得点をこの値倍する。
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役の倍率は、勝者の上がり方に役がついた場合(役説明を参照)に、その役に応じた倍率がつく。
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つまり勝者の得点計算は、敗者の手持ちのカードの合計(10以上は全て10で計算)をSCとすると、次のように計算できる。

SC×(Jokerの枚数×2)×場倍率×役倍率=最終得点

Jokerは1枚につき得点を2倍できるが、これは敗者の手持ちの中だけではなく、勝者の手持ちの中に入っていても適用されることに注意。


ずんには、天和(てんほう)、地和(ちぃほう)、8ずん、引きずん、かえしずん、の5つの役が存在する。
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天和
ゲーム最初に配られたカードで、最初の場のカードに「ずん」をした場合、天和役がつく。天和では敗者は勝者以外の全員となる。勝者は各敗者から得点を得ることができる。天和の役倍率は8倍。
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地和
ゲームの最初の番の人から一巡して、再びその人の番が来るまでに「ずん」を宣言できると、地和役がつく。ただし、一巡する前に9(リバースカード)が場に出されると地和役はつかない。地和の役倍率は8倍。
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8ずん
場に出された8に対して「ずん」をした場合、8ずん役がつく。8ずんの役倍率は3倍。
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引きずん
自分の番の際に、山からカードを引いて、そのカードを手持ちに加えた合計で場に「ずん」を宣言できる場合、引いてすぐに宣言をすることで上がることができ、さらに引きずん役がつく。ただし、2の効果で複数枚を山から引いた場合には「ずん」を宣言することはできない。引きずんの役倍率は2倍。
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かえしずん
誰かが「ずん」を宣言した時に、敗者もしくはその他の人で、同じくその場の数字に「ずん」ができる場合、かえしずんとなり、最初にずんを宣言した勝者は敗者となり、後からかえしずんを宣言した人が勝者となる。かえしずんは手持ちの合計が場と同じであれば、敗者が行うことも可能なので、その際は勝者と敗者が逆転することになる。また、手持ちのカードがJokerだけの場合は、あらゆる「ずん」に対してかえしずんを行うことができる。さらに、宣言のタイミングの問題だが、かえしずんを宣言した後で、さらに別の人がかえしずんを宣言した場合、最初にかえしずんを宣言した人が敗者となり、後からかえしずんを宣言した人が勝者となる。かえしずんの役倍率は2倍だが、かえしずんに対してかえしずんが行われると、2倍の2倍で4倍になる(かえしずんが宣言された数だけ役倍率が適用される)。
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だぶずん
これは役ではないのだが、同時に2人の人が、場に対して「ずん」を宣言した場合だぶずんと呼び、勝者が2人、敗者が1人というかたちになる。得点計算では敗者はそれぞれの勝者に得点を与えなければならない(もちろん勝者が2人以上の場合も同様)。宣言が同時であればだぶずん。宣言が同時でなければ、後の「ずん」がかえしずんとなる。複雑になるのは「だぶずん」に対しての「かえしずん」と、「ずん」に対する「だぶかえしずん」、「だぶずん」に対する「だぶかえしずん」である。
「だぶずん」に対しての「かえしずん」(2人同時にずんをした後に、他の1人がずんを宣言した)では、かえしずんを後から行ったものが勝者となり、だぶずんの2人が敗者となる。勝者が1人で敗者が2人のかたちとなり、勝者はそれぞれの敗者から得点を得る。
「ずん」に対しての「だぶかえしずん」(1人がずんをした後に、他の2人が同時にずんを宣言した)の場合は、かえしずんを行った2人ともが勝者で、先に「ずん」をした者が敗者となり、それぞれの勝者に得点を与える。
「だぶずん」に対する「だぶかえしずん」(2人同時にずんをした後に、他の2人が同時にずんを宣言した)では、かえしずんを行った2人が勝者で、だぶずんを行った2人が敗者となる。勝者2人敗者2人のかたちとなり、敗者2人はそれぞれの勝者に対して得点を与える。
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ずんでは同時に複数の役があれば、それら全ての倍率を適用していく。例えば、場に8が出ていて、それに対して引きずんが宣言されると、引きずんで2倍、8に対してずんをしたので8ずんで3倍で、合計6倍の役倍率となる。また、これに対してかえしずんをした場合、引きずん役はつかないが8ずん役はつき、8ずんの3倍とかえしずんの2倍とで、合計6倍の役倍率となる。

オプションルール
チョンボ&誤ずん
もし間違ったプレーをした場合(5が出されてゴシタなのに6以上のカードを場に出す等)それをチョンボと呼び、チョンボをした人は山から5枚カードを取り手札に加えなければならない。ずんを宣言した際のチョンボ(ずんできないのにずんをした等)は誤ずんと呼び、これも同様に山から5枚のカードを手札に加えて、そのままゲームを続行する。